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架空アイドル担降りブログ

 

 

 

・事務所:ジャ…ズ事務所みたいなもの。

・一部生:=デビュー組

・二部生:=ジュニア。何列目のどの場所に立ってるかがけっこう重要。前に立ってるほどデビューに近いと言われている。デビューは基本的に年功序列(に自然となる。経験的な意味で)。でも経験なんか押しのけてデビューする人もいる。

・「順番」:事務所の一部組ほぼ総出演の舞台に出ること。二年ぐらいに一回、二部生に回ってくる。選ばれる人数は年によって違う。これに抜擢されたらデビューがさらに近づく、らしい。が、出演してすぐにデビューした人もいれば、さらに二年後にデビューした人もいる。二部生じゃなくて一部生の新人が選ばれることもある。二部生のおたくは出演の順番が回ってくるかこないかピリついてる。(ジュ…大賞みたいだね)

・NNNホール:毎週金曜日午後6時から放送してるあれのようなもの。

 

 

 

 

 

 

えーっと、お久しぶりです。何年ぶりですかね。4年?ですかね。長いような、短いような。覚えてる方いるのかな。わかんないけど、けじめをつけにきました。長い長い自分語りですが、よろしければお付き合いください。

 

 

 

 

 

NNNホールで初めて明くんを見た日から、昨日で6年が経ったらしいです。身長に比べてやけに長い手脚を振り回して踊る明くんは、星をまとっているみたいでした。それから、カメラに抜かれた一瞬のタイミングで決められたウィンク。バチンと音がして、放たれたのは多分キューピットの矢。もしくはめろめろパンチ。あの日から、私の心臓も手も足もなにもかも、明くんのものになりました。

 

 

オタクなら誰もが知っていると思いますが、この6年の間で、明くんの立ち位置は急速に変わりました。きっかけは忘れられません。深井真一くんの入所、です。私が好きになったときはNNNホールの0番は明くんの場所だったのに、そこには深井くんが立っています。明くんはひとつずつ隣にずれて、今は深井くんの後ろが定位置です。その間に16歳だった明くんは22歳になって、18歳だった私は24歳になりました。

 

 

深井くんがそこに立つ理由は、わかります。素人の私にだってわかる圧倒的な華、3歳から始めたダンスは誰よりも上手い、おまけに歌も。ボケたかと思えばツッコミに回ることもできますし、演技も上手いです。アイドル以外の生き方が想像できないような彼を、事務所が端っこに立たせておくわけがない、努力じゃ勝てない才能は存在する。そんなことは、わかっています。

 

わかっているから、悔しかったです。10歳で入所した明くんは、6年かけて0番に立ちました。深井くんは、3ヶ月でその場所に立ちました。最初はどうしてここにいるんだろうという顔をして。でも、次そこに立ったときには0番の意味を理解したような顔をしていました。その決意の顔は、おたくの人気も一気にさらっていきましたね。いっそわからないままでいてくれたらよかったのに。そんなことを願う自分がいます。

 

 

なにもわからない深井くんに、事務所のルールを教えたのは明くんです。挨拶はおはようございます、先輩がスタジオに入るときは一列に並んで待つ、後輩は帽子を被らない、早着替えはこうやる、真ん中が0番。そういうことを、同い年の後輩に教えました。「明くんが全部教えてくれる」「明くんがいなかったらすぐ辞めてた」と雑誌で話す深井くんのこと、ずっと微笑ましく思っていられたらよかったのに。

 

 

 

もしかしたら深井くんも入れてデビューかもね。そんな話を友達としたのはいつだったでしょうか。次のデビューは明くんを含めて一列目に立っている5人だと、疑っていなかったので。そこに深井くんが入ったから、6人でデビューかもしれない。

 

 

でも、そんなのは私が勝手に抱いた妄想に過ぎなかったです。

 

明くんの立ち位置がひとつずれて二年経った頃。明くんが18歳になって、デビューを意識し始めた頃、舞台が決まりましたね。6人に回ってくるんだと確信していた「順番」は、深井くんと、一列後ろだったはずの朝日と和也、それから雄大にだけ回ってきました。入所からずっと明くんと一緒だった雄大にも、順番が回ってきました。明くんには回ってきませんでした。

 

 

 

理解ができませんでした。どうして明くんがいないの。なんで4人なの。朝日も和也も明くんの後ろなのに、なんで。

 

 

 

そうやって事務所の選択と選ばれた4人へのヘイトをぶちまけたブログは炎上して、やっと自分がアンチになっていたのだと気づけました。あのとき怒って喚いていろんなものを攻撃して、その結果攻撃されて、結局垢消しすることになったのは私の想像力の欠如と傲慢のせいです。ご迷惑をおかけしました。

 

 

 

回ってこなくてもデビューした人はいるし、今回は役のキャラ的にしょうがない。一部生の新人もいるし。経験少ない子に場数踏ませたいんだろうと、思えたらよかったのにと今の私は思います。

 

思えなかったから、ああなったんですけど。

 

 

 

舞台の稽古が始まると、明くんの立ち位置は一列後ろに下がりました。私の好きになった明くんはずっと一番前にいたから、誰かとかぶって見えないなんてことがなかったんです。一列下がると、誰かの影に隠れることがあるんですね。私、知りませんでした。

 

それでも私は明くんのことしか見つけられなかったから、大丈夫だって思いました。立ち位置が下がっても明くんのことは変わらず大好きでいられる。私は0番の明くんじゃなくて、明くんが好きだから。

 

 

でもやっぱり、私はまっすぐに好きではいられませんでした。

 

 

全員で踊っているとどうしても視界の端にちらつく4人の姿があります。4人を見るたびに明くんは選ばれなかったのだと感じてしまいます。

 

 

どうして明くんがという気持ちと、そんな風に思う自分が嫌な気持ち、それを正当化したい気持ち、みっつを抱えて私は爆発しそうでした。こんなに苦しいならファンなんかやめてしまいたい。何度もそう思ったのに、明くんの姿を見たらだめでした。

 

 

大好きなんです。長い手脚も、激しく踊るときに上がる口角も、歌詞に合わせた切ない表情も、ちょっと垂れた目尻も、なにもかも。

 

こんなに大好きなのに、明くんは変わらず笑ってくれるのに、私だけが変わってしまいました。

 

 

でも、人間は適応していく生き物ですね。明くんが2列目に立っていることを悲しむ器官は、いつのまにか麻痺したみたいです。明くんはどこにいたって明くんなのだから、私は明くんのことだけを見ていればいいんだと思えるようになりました。これはとっても大きな成長でした。

 

だから4年間、私は明くんだけを見ていました。元々1列目に立っていた雄大を除いた4人のパフォーマンスは、なんというか、鬼気迫るものがありました。私はそれがたまらなく好きでした。見るたびにダンスは進化して、20歳になったら大人の曲もやるようになって、でも笑顔がかわいいところは変わらなくて。昨年ゲスト出演したドラマはたくさん見てもらえて、役名でトレンド入りもしました。

 

 

明くんを好きになって最初の2年も、明くんの環境が大きく変わった後の4年も、楽しかったです。明くんを応援することはずっと楽しかったです。

 

でも、それももう、辞めます。あんなに何度も並び直して買った写真はもう買わないし、雑誌も追わない。ドラマだって明くん目当てには見ない。かかさず見ていたNNNホールも録画予約をやめました。

明くんを中心に回ってた生活が一変するから、自分がどうなっちゃうのかわからないけど、それでも、辞めます。明くんのことを追いかけない私でも、ご飯を食べて、お風呂に入って、寝て、起きて、を繰り返していくと思います。生活から明くんが抜け落ちるだけ。人間って、案外頑丈らしいので。

 

 

 

それから、深井くん、朝日、和也、雄大へ。

デビューおめでとうございます。